night music -こんやのおんがく-
夜、お店が閉まって、ときどき、彼らはビルの屋上で音楽をききます。
よかったら一緒にきいてあげてください。
僕たちは色々なキャラクターやアイテムの持つ物語が大好きですが、
同じように音楽や景色や料理にも色があります。音楽を一緒にきくことや、同じ料理を食べるという体験は、僕たちがパーフェクト・ワールドをこんな風にしたいとつらつら書くよりも、「こんな感じ!」という風に、多くのことを語っているように思うのです。
彼らの世界があって、彼らは音楽をきいて、ごはんをたべて、色々なところにいきます。そういうことも時たま、紹介していければと思ってこんなコーナーをかきました。
お仕事帰りの方も、お部屋でリラックスしている方も、まだお仕事をしたり、
何か作品を作っている方も、料理をしている方も。
みなさんの世界とここが少しまじって、少しの時間、perfect world になれば良いなと思っています。
night music。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
それでは、、
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おんがくはこちらです。
よかったら、再生ボタンをおして、
come and play in the milky night / stereolab
夜の音楽は人懐っこいゴーストのよう。風が止んだら現れて、風が吹いたら消え去って。いたずらに舞い戻ったり、けたたましく笑ったり。きえてうかんで、うかんできえて。耳から流れ込む氷点下、背後に感じる蜃気楼。
恋人に向けて爪弾かれたギターと、灯り窓の向こうのピアノ。高架下のトランペット、水辺のサックス、幼な子が無軌道に叩くテーブルと、ママがカーテンを閉める音。遠く聞こえる警笛。
それも全てアンサンブル。あらゆるものがその動きを止め始め、眠りの世界に向かう中、音楽は殊更雄弁だ。
電線から電線へ、音符は自由に飛び回る。大気中に散らばって、どこかに着床する。そして夜の中、また芽吹いてゆく。
音楽はいつも行き先を探している。次は誰の耳に飛び込もうか、誰の夢に忍び込もうか。
“come and play…”
背後で誰かがそっと囁いた。道標の無い夜の中、街を見下ろせる高い所で、思い思いに楽器を手に取るシルエット達。
POPというフォーマット上にあらゆる実験を持ち込み、音楽を解体しては再構築を繰り返したstereolab。同系譜上で彼らを超える独自性のある存在は、現時点ではまだ現れていないように思う。「ステレオラブ以降」という括りが確かに存在するように、彼等はオリジナルだ。
リズム、メロディ、ハーモニーのみならず、録音方法、鳴らし方、響かせ方、音の配置に至るまで実験を重ね生み出されたstereolabの音楽は、それでも頭でっかちになることなく体の芯にまで響いてくる。それがつまりは”POP”ということか。
イギリス人とフランス人の混合バンドであったこともこの独自性を産み出せた要因のひとつであったかも知れない。
2010年、”Not Music”という洒落の効いたタイトルのアルバムを最後に、現在は活動を休止している。
都心のビルの無人の屋上。誰かが踏みっぱなしたエフェクターから立ち昇る無軌道な痙攣。
そして、リズムが始まる。
come and play in the milky night / stereolab
いかがでしたか?みなさんが素敵な夜をすごしていますように。 *・゜゚・*: .。. .。. :*
*このコーナーは、オズとルーがときおりたのしんでいる音楽を、少しずつご紹介していく予定です。今のところ不定期です。